コラム&考察



2011年1月21日改訂



活性化か?死か?



 2005年2月24日に、最大で80キャラクターが在籍するギルドを作成できるダークロードが実装されて以降、ギルドの統廃合が加速しました。これは、減少するユーザーと大人数化するギルドの狭間で苦悩する一人のギルドマスターの記録です。本稿が多くの方のギルド運営の助けになれば幸いです。



目次


第一章  ギルドマスターの交代

第二章  奮闘

第三章  連帯

第四章  新たな風

第五章  病める連合

第六章  苦悩

第七章  改革

第八章  希望と挑戦

第九章  理想の形態に向かって

第十章  起爆剤

第十一章 最終形態!? 新たな挑戦!!! お笑いギルド『墓穴会』

あとがき




ギルドマスターの交代


 バビロンで、2003年12月17日に作られたギルド、すなわちプレイヤー同士のコミュニティ、scorpionでの話です。操作しているのは両方とも私なのですが、初代ギルドマスターの「SIN」という名のキャラクターを引退させ、新たに80キャラクターまでメンバーを増やせる、Antares!!という名のダークロードがギルドマスターを担当することになりました。2005年8月10日のことです。これによってscorpionも大人数化してきたギルドの流れに乗り、大幅にメンバー数を増加させる事が期待されていました。

 ウィザードのSINがギルドマスターを担当していた時期のscorpionは、大幅にメンバーを増やそうと考えても、レベルによる人数制限のため、在籍キャラクター数の多いギルドとの合併は不可能でした。メンバー募集によって入ってくる人数は、引退や移籍する人数とほぼ同数で、メンバー数の伸びは20名前後から頭打ちとなっていました。また、手当たり次第に集めたメンバーの意思はバラバラで、盛り上がりにに欠けていました。ギルドマスターのAntares!!は、scorpionを活性化させる必要に迫られていました。



奮闘


 Antares!!がギルドマスターになった直後の新生scorpionのメンバー数は、以前の半分以下の10名ほどでした。何の連絡も無しにログインしなくなった「幽霊メンバー」が居なくなり、まだレベルの低い、新ギルドマスターを見限って移籍するメンバーもいました。仲間に「最初は一人だったんだ。また新しい仲間を集めればいいさ」そう励まされて、私はギルドの立て直しに着手します。

 まず、期待されていた、キャラクター数の多いギルドとの合併ですが、これは相手が見つからず現実的な選択肢ではありません。そこで、1サーバーのデビアス倉庫で知り合った、比較的レベルの低いメンバーをみんなで勧誘しました。成果は上々で、新しいメンバーを迎えて、一応、活気を取り戻すことに成功します。短時間でのギルドの成長は、キャラクターがダークロードであるため、在籍可能なキャラクター数が増え、幽霊メンバーの放出を減らせたことも大きな要因でした。しかし、これは「IN率の低下」という悩みを抱える原因となりました。この「メンバーのIN率の低下」は、引退者の増加による過疎化が原因で、ワールド全体の傾向でもあります。これに対してscorpionでは、次の二つを重要視して対処します。

それが「ギルド内での会話の活性化」と「ギルドパーティーの活性化」です。

 この二つは、ギルドにとって必要不可欠の要素ですが、達成の難しい課題でした。当時のscorpionには「面倒な事はやりたくない」といった空気があり、みんなで盛り上げようという意識が行き渡っていませんでした。原因としては、ギルドマスターが、頑張りすぎてしまっていたこと、メンバーに負担を掛けたくないとの思いから、ギルドマスターが、そういった風潮を容認していたことなどが挙げられます。また、パーティーを組む際に重要な、サポート系のキャラクターは、ギルド外の仲間と行動するため、こちらには、あまり顔を出せないといった状況でした。そんな中、Antares!!は、リーダーシップを取ることを避けて、お世話役や調整役に徹していましたが、いよいよscorpionが、ダメになりそうな状況になり、みんなを引っ張ってゆく必要に迫られました。積極的に空気を変えようと呼びかけてるまでに、ギルドを去るメンバーもいました。大事なメンバーを入れ替える事になってしまいましたが、その後、徐々にscorpionは変わってゆきます。



連帯


 その頃、ギルドの活性化に、大きな役割を果たした要素があります。それが、実装されたばかりの「ギルド連合システム」です。ギルド連合とは、最大5つのギルドでグループを作るもので、現在の殆どのギルドは、このシステムを利用しています。ユーザーの減少が深刻なうえ、プライドや考え方の違いからギルド同士の合併もなかなか難しい現状では、簡単にメンバーを増やせるなどという状況ではありません。そこで、このシステムを利用してscorpionも、同じく単独では活性化できないギルドと、お互いのギルドを残しつつ、会話とパーティーを増やすことにしました。

 最初はscorpionより大きなギルドと連合して、MWW(攻城戦)と呼ばれる大規模対人戦での勝利を目指してみましたが、相手ギルドと折り合いがつかず実現しませんでした。そこで、前ギルドマスターが主催していた「ギルドマスター会」という集まりで知り合った、scorpionより規模の小さい複数のギルドと助け合う形をとります。その後は連合ギルドの統廃合を進め、新たなギルドを呼び込みギルドは成長を続けてゆきます。その頃の私たちのギルド連合は、連合の全てのメンバーとギルドごとに分け隔てぜず接し、連合全体に聞こえる連合チャットのみを使っていました。連合とは、すなわち大きなギルドで、参加ギルドは別々のギルドでありながらも実質的な合併に近い形でした。ここでは、これを「一体型」の連合と呼ぶことにします。



新たな風


 ギルド連合システムの実装によって賑やかになってきたとは言え、メンバー数は30名前後で頭打ちとなっていました。そんな折、絶妙なタイミングで運営チームが動き始めます。「ギルドの日イベント」です。βテストの頃に行われていた、運営が音頭をとってメンバー勧誘の場を設けるイベントが、2006年の春に再開されたのです。さらに今回は、ギルドマスターが応募した紹介文が、全ワールドにテロップとして流れるサービス付きです。scorpionは、おそらく全ワールドで、最も積極的にこのイベントを活用しました(というか他に積極的に参加したギルドはありませんでした)。毎週、火曜日と土曜日の夜に、各メンバーは一所懸命に勧誘を行って、多くのメンバーが入ってきました。メンバー数は5月には70名を突破、一時期はMAXの80名に達し、ようやく大所帯と呼べるものになりました。



病める連合


 勢いに乗っていたscorpionですが、その後は様々な問題に悩まされます。急成長を遂げたもののメンバーのIN率が高かったのは最初だけでした。新しく入ったメンバーのキャラクターはレベルが低く、いわゆる「ライトユーザー」が殆どでした。ギルドうんぬん以前に、MUに定着してくれる方が少なく、幽霊メンバーとなる者が後を絶ちません。Antares!!のレベルも今だ高いとは言えず、レベル上げに時間を割かなければならなかった事も、メンバーを繋ぎ止める事が出来なかった一因となりました。メンバーの多くは、Antares!!よりさらにレベルが低く、Antares!!は、メンバー以外の方とクエストに参加することが多くなってしまったのです。また、ギルドの運営を補佐するメンバーも居ませんでした。

 苦しい状況の中、scorpionは以前よりメンバー数の多いギルドと連合して活性化を達成しようとします。連合相手はすぐに見つかりました。中規模ギルドの『ギルドA』(仮称)です。しかし、scorpionより小さいギルドが相手では全く問題がなかった連合も、ある程度、大きなギルドが相手だと様々な問題に悩まれました。会話やパーティーも増えて最初は上手くゆきましたが、しばらくすると、以前から親交を深めていた相手ではないため、路線の違いで折り合いが付かなかったのです。

 『ギルドA』に対して、こちらは合わない部分があれば、お互いの路線を修正すればよいと考えていました。しかし、それが理解されていなかったようです。『ギルドA』は、自分達の考えを曲げようとはせず、一切の話し合いには応じないという姿勢でした。Antares!!は、突然『ギルドA』のギルドマスターに呼ばれ、3対1の状況で、細かいプレイスタイルの相違を非難され、一方的に連合解消を告げられます。こちらのメンバーからも連合した直後から、相手のギルドマスターと合わないとの声があがっており、これ以上、歩み寄れないと判断して連合の解消に同意しました。

 この経験を生かし、今度は連合する際には、事前に「連合やギルドの方針はお互いが話し合って決めよう」と、こちらから条件を出して連合相手を探すことにしました。しばらくして、それを承諾した、こちらと人数の近い『ギルドB』(仮称)を受け入れることになりました。『ギルドB』側も、複数の連合と体験連合を行ったあと、こちらを相手として選び、お互いのメンバー同士は、順調に交流を積み重ねてゆきます。しかし、半年後には様々な問題が表面化してきます。



苦悩


 私たちのの連合は、主に連合チャットを使って、一体型の連合を目指していました。しかし『ギルドB』のギルドマスターは、挨拶や会話を自分たちのギルドのみに聞こえるチャットのみで行い、他の連合ギルドと交流を持ちませんでした。当然、こちらと考え方が食い違ってきます。こちらとしても何を考えているのか、皆目見当が付かないのです。そこで、コミュニケーション不足を解消しようと、「連合チャットでの挨拶」や「活動サーバーや、溜まり場を一緒にしよう」と提案して交流を拡げようと考えました。これは、事前に『ギルドB』の過半数のメンバーから賛成を取り付けてから、相手のギルドマスター提案したのですが、それを快く思わないギルドマスターや『ギルドB』の一部の方から「干渉」だと受け取られてしまい却下されてしまいます。さらに『ギルドB』のギルドマスターの説明では、全員で話し合って却下したとのことでしたが、親しい方から話を聞くと話し合いらしきものは無かったらしく、ギクシャクしたものを残しました。そもそも『ギルドB』は、ギルドマスターがギルドの意見を一つに纏める事をしない方針らしく(その方針も、scorpion側は、最後の最後まで聞かされていませんでした)、その様な提案をしても、『ギルドB』側の足並みが揃うわけがなかったのです。

 結局、今回も事前に何の相談も無いまま、一方的に連合解消を告げられることになりました。直前まで『ギルドB』の多くの方と楽しく付き合っていたので、これは寝耳に水でした。理由を聞いてみると『ギルドB』のギルドマスターを中心とする連合解消を主張する者と、こちらとの考え方には大きな隔たりがありました。連合解消を告げられた時「意見調整が必要だったのでは?」と伝えると「その様な事に使う時間はない」「みんな、忙しいんだ」との答えが返ってきました。私は、この答えを聞いて、話し合いは無駄だと解りました。お互いの顔が見えず、言葉のニュアンスも伝わらないMMOの中にあって、対人関係を円滑にする時間を何よりも大切にしてきたのですが、相手は違ったようです。

 他にも、連合内の「希望者」と、SNSのミクシィを通じて交流していたのですが、それも『ギルドB』のギルドマスターには面白くなかったようでした。最後の席で『ギルドB』のギルドマスターは、これについて「なに?出会い系?」「自分はゲームをしたいんだ!ミクシィなんて持ち込まないでくれ」などと批判されました。決して無理に勧めていたわけでもなく、希望者を募ってささやかに楽しんでいただけなのに、これはどうかと思いました。

 また、こちらは「一体型の連合」として「連合全体で一つのビジョンに向かって進もう!」としていました。無論、これは価値観の押し付けたりするものではありません。100%は無理でも、相手に合わせて修正も可能でした。このビジョンが『ギルドB』のギルドマスターをはじめとする、一部のメンバーには、受け入れられるものではなかったようです。Antares!!が連合を仕切ることへの反発もあったかもしれません。しかし、相手のギルドマスターと意志の疎通が図れないのでは、ある程度、こちらだけで切り盛りするのは、仕方がないでしょう。過半数の『ギルドB』の皆とは、上手くいっていただけに残念でした。

 一つ言えることは、連合相手には、きちんと自分達の方針を伝えるべきということです。自分たちの考えを伝え、溝が埋める努力もしないで、ただ「合わなくなったから離れます。」では、私たちも合わせようがありません。それでは、私たちが今まで示してきた誠意はなんだったのであろうか?確かに両者の間には、解決困難な方針の違いもありました。しかし顔の見えないネット上の付き合いだからこそ、お互いの距離を縮める「コミュニケーション」が重要なのではないでしょうか?連合の解消は、普段のやりとりで価値観を共有したり、一つ一つ話し合うなどの努力をしたうえで、最終手段として選択するのが正しい筋道ではないでしょうか?

 結局『ギルドB』には、最初にscorpionが出した「連合やギルドの方針はお互いが話し合って決めよう」という条件を理解して貰えていなかったのです。こちらの方針に異議があるなら、事前に申し出てくれるものと考えていたのですが、その認識が甘かったのでしょう。もっと『ギルドB』のメンバー全員から、方針について聞き取りを行うべきだったのですが、その時間もなく、前述したコミュニケーション不足がそれを阻みました。



改革


 ここに来て、ギルド連合scorpionは、大きな方針の転換を余儀なくされます。居心地の良い連合とはどの様なものなのか?みんなで考え直してみることにしました。そして、今までの3年半に及ぶ試行錯誤を振り返り、徐々にですが、一つの理想形に向かって歩き出します。まず、最初に行ったのはscorpionが「大規模ギルド」の看板を降ろす事でした。当時のscorpionの現状は、IN率の低下から、とても大規模ギルドと言える状況ではなくなっていました。それに、以前に一度、IN率の高い大所帯を経験してみると問題があることが解りました。大所帯でIN率があまりにも高いと、チャットでのコミュニケーションに支障が出てくるのです。「連合チャットに参加出来ないメンバーが増える」→「ギルドに馴染めない人が脱退」というパターンが何度もありました。そこで、手当たり次第にメンバー数を増やして活性化を図るのではなく、気の合う仲間だけを集めた「コンパクトなギルド」を目指す事になりました。同時に、新しいギルドとの連合は急がず、連合する条件を厳しくして相手を厳選します。それでも十分、「会話の活性化」は達成できるのです。次に「パーティーの活性化」ですが、これは連合にこだわらず、連合以外の友好ギルドとも連携を強化することにしました。具体的には『悪の黒ミサ』というギルドと、互いにサブキャラクターを連絡用として在籍させたり、みんなで集まってレベルの近いキャラクター同士のフレンドリスト登録を行う。これなら方針の違いや、連合という狭い範囲での交流に縛られる事も無く、以前より活発にパーティーが行われる様になりました。



希望と挑戦


 その後、scorpionは、『ギルドC』(仮称)という、結成されたばかりのギルドと連合します。『ギルドC』から連合を申し込んできたのですが、連合チャットやパーティーで交流があったのは最初の数日だけで、その後は、挨拶、会話もこちら側からの一方通行で相手は沈黙という状態になり、僅か20日足らずで連合解消となりました。その直後『ギルドC』は、他所のギルドに吸収合併されてしまいます。短い期間でしたが、学ぶべき点がありました。『ギルドC』は結成メンバーだけの小人数ギルドでは飽き足らず、1サーバーのデビアスで活発にメンバーの募集活動を行っていました。レベル・クラス(職業)・メインキャラクターかサブキャラクターなど一切不問で募集する姿勢は、長い目で観れば以前のscorpionと同様、様々な問題を抱えることになったでしょうが、私たちが諦めかけていた、新規メンバーの勧誘に成功していました。「過疎化の進むバビロンでも、やれば出来るじゃないか!」と教えてくれたのです。

 これらの経験から、新しい改革を行いました。それはscorpionと、そのサブキャラクター専用ギルド『蠍保育園』を統合するものです。当時は、この2ギルドのみで連合を作っていたので、これはギルド連合の解体を意味する、当時としては思い切った選択でした。蠍保育園はscorpionをメインキャラクター限定ギルドにするという方針を守りながら、それを補うために2005年9月19日に作られました。当初からIN率は悪かったのですが、使い勝手の良さから重宝されてきました。しかし、2年近く経ってみると、scorpionの活性化の妨げになっている様々な問題がありました。以下に、そのいくつかを挙げてみます。


 蠍保育園のログイン状況をみると、まったく機能しておらず、scorpionのメンバーは、蠍保育園にどんなキャラクターが居るのかも把握できない状況でした。もし蠍保育園に他の連合のサブキャラクターを多数、受け入れて、活性化に成功したとしても、scorpionとの間に不都合がでてくるでしょう。統合するとIN率が低下するのが不安だという意見もありましたが、検討を重ねた結果、最後には、統合によるポジティブな効果の方が重要だと結論付けました。そして、Antares!!がギルドマスターになってから、ちょうど2年後の2007年8月10日に両ギルドは統合します。その後、新生scorpionは、新規メンバーの獲得に向けて大きく舵を切ることになります。



理想の形態に向かって


 それから三ヶ月・・・。新生scorpionは、結成当初から、ずっと守ってきたメインキャラクターのみ在籍できる方針を改め、サブキャラクターでも育てるつもりのあるキャラクターなら受け入れるようにしていました。その結果、入るための敷居が低くなり、メンバー募集に力を入れると、新規メンバーがどっと押し寄せ、再び活気を取り戻すこととなります。また、定員を55キャラクターとし、幽霊メンバーを放出して、IN率をあげてゆきます。ログイン人数からすると、scorpionは、再び以前の大規模ギルドと呼ばれた時期と同じ規模に成長していましたが、今回は「大規模ギルド」を名乗らず、コンパクトなギルドとして活動しました。また、蠍保育園との合併によって解散したギルド連合ですが、その後はどことも連合せず、連合のあり方を再検討しています。その結果、2007年秋頃から、次の条件に合えば連合を考えるようになりました。


  1. 以前の様に連合ギルドを頼って活性化を図るのではなく、scorpion単独で活動できるよう努力する。
  2. 目標の達成(この当時はMWWでの勝利)の為に必要がある場合に限り、連合して友好ギルドと共同で目標を達成する。
  3. 以前の様に一体型の連合を追求するのではなく、各ギルドの自主性と平等を重視した緩やかな連合を目指す。
3については、以下の点に注意して活動していました。
 このビジョンで、MWW(攻城戦)での勝利を目指しての「一時的な連合」と断ったうえで『ギルドD』(仮称)と連合してみました。今までの経験から、お互いの意見調整に時間を割き、慎重に進めてゆきます。『ギルドD』のギルドマスターは「強気の姿勢で挑む、気の良い親分肌」といった、とても良い面を持っていたのですが、いささか強引すぎ、独善的であるという面も持っていました。非常にクセの強い考え方を持っており、残念なことにscorpionのメンバーに、それを押し付けたり、パーティーではサポート役のキャラクター「エナジーエルフ」に対する配慮が足りず、scorpionのエナジーエルフ全員にそっぽを向かれてしまいます。Antares!!は、本人に幾度となく、問題点の修正をお願いしたのですが、ものの考え方や性格のことなので、最後は「話し合いで解決不可能」と判断して連合の解消を「提案」します。ですが、前述の新ビジョンに従って一定の距離を置いていたことや、十分な注意を払ったこともあり、これは、喧嘩別れではなく、円満に行われました。これらの経験から、この頃のAntares!!は、ギルド連合システム自体に不信感を持ち始め、それから先は、一年ほどの期間をどこのギルドとも連合せず、単独で過ごしています。

 また、チャットでのコミュニケーションに支障が出ない様に、様々な工夫も凝らしました。scorpion内の会話でも、連合チャットとギルドチャットを使い分けたり(文字の色が違うので同時に二つの会話ができる)、ギルドの溜まり場を決めて、そこでの会話に時間を割いたりしてメンバー数の増加に対応しました。



起爆剤


 ようやく軌道に乗ったかに見えたscorpionの運営ですが、2008年に入るとギルドを特色付ける「ギルド規約」の大幅な整備を始めることとなります。その過程で、今まで多くのメンバーが、規約に無関心であったことが判りました。これでは、個性を打ち出し、目指すビジョンに向かって進むことも出来ないだろうし、ギルドマスターがいくら頑張って音頭を取っても、メンバーは他人事だと思っているのと同然です。そこで、時間をかけて、メンバー全員で検討を重ね、最後は多数決でギルド規約を決めてみました。メンバー数の増加にも十分、対応できる体制を整えるためと、Antares!!の凝り性な趣味のため規約は本格的なものになり、多少の反発はありましたが全員に周知徹底させたことが、その後の飛躍に繋がります。

 そして、気がつけば四年以上、暗中模索を繰り返してきたわけですが、一段落すると少し気になる点がありました。ギルドの個性と言えば、唯一、厳しくしてきた「マナーが良い」点のみ・・・。お行儀は良いが面白味に欠ける雰囲気。そのマナーの良さも、多くのメンバーを切り捨てて得られたものでした。MWW(攻城戦)の参戦もメンバーのモチベーションが上がらず、私は「一体、何が面白いのか?」と自問自答する日々を送っていました。

 やがて、12億円の巨費を投じて、MUと同じWEBZENが開発して、ゲームオンが運営する Soul of the Ultimate Nation (以下SUN)というMMOが登場します。私は、思い切ってMUでの活動をチャットのみにして、SUNやハンゲームで活動してみることにしました。2007年2月~3月にも、MUを休止してSecond Lifeを覗いたこともあったのですが、どれもみな貴重な経験となりました。新しい発想を得てリフレッシュしたAntares!!は、大きな構想を持って、2008年の夏に、再びMUに本腰を入れます。



最終形態!? 新たな挑戦!!! お笑いギルド『墓穴会』


 Antares!!が、MU以外のタイトルで得た経験から出した答えは「更なる楽しさの追求」でした。先ほども述べたように、この頃のscorpionは「お行儀は良いが面白味に欠ける」風潮がありました。メンバーのモラルが高く、マナーが良いことは素晴らしいことです。しかし、楽しくなければ、みんな離れてゆきます。これでは、活性化どころか生き残りも図れません。もう、その頃のAntares!!が進む道は決まっていました。新コンセプトのもと、ギルドを再編成してイメージチェンジを図るのです。最初は、長く慣れ親しんできたギルド名を変えることに根強い反対意見もありました。しかし、みんなに変わることの必要性を説いて納得してもらいます。検討に検討を重ねて、決まった名前は『墓穴会』(ぼけつかい)、ギルドマークは「お墓」とした。

 また、単にギルド名を変更するだけでは不十分なので、scorpionをベースにしつつも、中身も「楽しさの追求」をテーマ変えてゆきました。そこでscorpionは、一旦、解散という形を取り、その上で、メンバー一人ひとりの同意を取り付けて、希望者のみで新ギルドとして立ち上げました。テーマは「笑い」で、「ギャグ追求ギルド」と銘打つこのギルド、ジョークを飛ばさなければ「いけない」ギルドではありません。ネタに困る日が続くこともあるでしょうが、「笑いを求め」「冗談だけは絶やさない」という「姿勢」を大切にするスタンスなのです。ジョークを飛ばすのが苦手でも、面白ければ一緒に笑ってくれるだけで良い。そして、一人ひとりが「楽しくしよう」と心がければ最高だというわけです。

 もちろん、各メンバーのマイペースを大切にしてゆく方針に変わりはありません。のんびりしようが、頑張ってレベルをあげようが自由です。さらに前述のギルド規約は、若干の修正を加えてそのまま残しましたが、堅すぎるイメージがあったので、「規約」とはぜずに「心得」としてニュアンスを弱めました。

【結成当初の墓穴会の特色】
  • 「ボケとツッコミ」「ハッタリ」をこよなく愛する「ギャグ追求ギルド」を目指しています。
  • 「放置狩り」は、問題点を踏まえたうえで、ギルド運営の妨げにならないように!
  • 幅広いレベルのメンバーが集まって活動しています。
  • 重要な意思決定は、十分な議論をつくし、必要があれば多数決で決めます。
  • 現時点では、MWW(攻城戦)には参戦しません。

  • ※会員一同と十分なコミュニケーションをもてる方のみ在籍可能。

     理想の達成のためには、Antares!!自身も、今まで以上にジョークのセンスを磨かなければなりませんでした。また、古参のメンバーの意識を変えてゆく必要もあります。そのため、以前のように、誰でも彼でも受け入れ、色々な考えに合わせて、玉虫色の方針を打ち出すことは改めることになりました。ビジョンを明確に打ち出しそれに合うメンバーを残してゆきました。また、連合相手には次の心得に同意して貰うことにしました。以前のような一体型の連合を目指すのではなく、各ギルドの自主独立を大切にした、平等の連合を目指していました。

      【墓穴会連合の心得】
    1. ギャグを追求する緩やかな連合を目指そう!
    2. お互いの自主性を尊重して、対等な立場で連合しよう!
    3. 連合チャットとギルドチャットを用途に合わせて使い分けよう!
    4. 放置狩りは、連合に迷惑をかけない程度にしておこう!

    こうして、お笑い路線を目指して、Antares!!の新たな挑戦が始まったのです。



    あとがき


     以上、2005年の夏から2008年夏までの、Antares!!の活性化の努力をまとめてみた。改革するべき事柄はギルドによって異なりますが、柔軟な対応と活性化を求める意欲がギルドの明日を切り開くことに変わりはありません。紆余曲折はありましたが、scorpionから、墓穴会へ移行して、私たちは大きなステップを踏むことになりました。至らぬギルドマスターの元でここまで一緒に盛り立ててきてくれたギルド(連合)メンバー、及び関係者の方々には感謝の念が絶えません。その後も墓穴会は、多くの方々に支えられて成長してゆきました。私は各メンバーが上記のキーワードである、

    「会話の活性化」「パーティーの活性化」「ギルド(連合)目標の達成」

    以上、三点を意識して一緒にギルドを盛り上げていく事が「MUを十倍楽しめる方法」だと信じています。







    特別情報部“Scorpio”管理人 Antares!!  





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